『資本論』第1巻を読む III 第10回

第13章 機械と大工業 その6

前回は第6節と第7節を読んでみました。これらの節は、相対的剰余価値の生産という枠には収まらない議論が展開されています。その意味で第13章の第2層を構成しています。中心になっているのは、機械の導入の過程で、旧生産方法が破壊され機械の導入が進むなかで(第6節は「マニュファクチュア時代」の話で、第7節はそれ以降の現実と了解しますが)、就業労働者数の動態が考察されています。その意味で、第7篇の資本蓄積論と重なります。ただ、その内容は両極分解、窮乏化といった第7篇の基調とはズレています。絶えざる分解が継続し、労働力の反発と同時に吸収の側面が重視され、よりダイナミックな資本主義の発展過程が読みとれます。これは続く第5篇「絶対的並びに相対的剰余価値の生産」の基底をなす、形式的・実質的包摂論に、より親和的です。したがって、『資本論』のこの部分には、資本構成の不断の高度化の行きつく先を論じる資本主義的発展の理論とは異なる、過程論的な、もう一つの資本主義的発展の理論が潜んでいるという私の解釈を話してみました。しかし、この第13章にはさらにもう一層、第3の層が含まれています。ということで、今回はその第8節から第10節を検討してみます。なお、今回最終回でとりあげる、第8.9.10節の概要は、第9回のページにすでに掲示してあります。

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