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: 商品貨幣説について : 商品貨幣説と貨幣数量説 1 : 貨幣価値の安定性について

貨幣の不足について

浅羽[1991]で紹介されている代用貨幣の発生は、貨幣数量説が妥当しない例解としてきわめて興味深い。貴金属の不足は、商品諸価格の相応の上昇でいくらでも吸収できそうであるが、実際にはそうはならなかったようである。貴金属にも一般商品にもある価値の大きさが内属している以上、それを度外視した水準に貴金属で表示された諸価格が上昇するのではなく、諸商品のなかから貨幣性を具えた代用貨幣が登場し、それぞれの価値の大きさを基準にした価格関係が維持されたのではないかと考えられる。



obata 平成18年10月18日